感染力はCOVID-19発症の2~3日前から高い新型コロナウイルス最新情報

感染力はCOVID-19発症の2~3日前から高い

現時点で、COVID-19パンデミックをコントロールする主な方法は、発症者と接触した人を同定し隔離することだが、発症の少なくとも2日前から感染性は非常に高い状態にあることが示唆された。中国広州医科大学のXi He氏らは、臨床データに基づく推定結果をNature Medicine誌電子版に2020年4月15日に報告した。

著者らは、世代時間(発端患者の発症から2次感染者の発症までの時間)と潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)に注目した。世代時間が潜伏期間に対して短ければ、患者が症状を発症する前の段階で、2次感染が多く発生している可能性がある。その場合には、発症時点から患者の隔離と接触者追跡を開始し、発症者はマスクを着用するといった封じ込め策の有効性は、期待を下回ることになる。

2003年に流行したSARSでは、患者の症状発症後7~10日間感染力が増加していることが明らかにされており、発症後の患者の隔離と検疫で効果的に封じ込めることが可能だった。これに対して季節性のインフルエンザでは、短期間だが発症前から感染力が増加していることが知られている。

著者らはまず、感染性のプロファイルを推定するために、中国広州市第八人民院に入院した94人のCOVID-19確定例(年齢の中央値は47歳、50%が男性、2%が無症状で、32%が軽症、66%が中等症で、重症者はなし)のPCR検査の結果を分析した。それらの患者は、発症時点から32日後までの期間に計414回、喉頭スワブを提供していた。PCR検査で検出されたウイルス量は、発症後すぐが最も高く、そこからおおよそ21日後にかけて徐々に低下していた。性別、年齢、重症度は、ウイルス量の推移に影響を及ぼしていなかった。

続いて、中国とそれ以外のアジアの国(日本も含む)で公表されていた、発端患者とそれら由来の2次感染者を組み合わせた77ペア(うち10ペアは日本の患者)のデータを分析し、世代時間と潜伏期間の関係を検討した。世代時間の平均は5.8日(95%信頼区間4.8-6.8日)、中央値は5.2日(4.1-6.4日)だった。公表されている別の研究で、潜伏期間の平均は5.2日と報告されていたことから、感染性は発症の2.3日前(0.8-3.0日)から現れ、発症前0.7日(-0.2から2.0日)時点で最も高くなると推定された。これらの情報を元に予測すると、2次感染者の44%(25-69%)が発症前の発端患者から感染していたと考えられた。また、発端患者からの感染のリスクは、発症から7日以内に急速に低下していた。

武漢市の患者を対象とする研究は、PCR検査では中央値20日間(最長37日間)陽性判定が持続したと報告しているが、感染力を持つウイルスが存在するかどうかを検討した別の研究結果では、発症から8日後には、排出されるウイルスの感染性が顕著に低下することを報告している。

著者らは、R0が2.5で、感染の30%超が発端患者の発症前に起きていると仮定すれば、発症後の接触者の90%超を追跡できたとしても、接触者追跡と隔離のみでは感染の制御に成功しないと推定した。

これらの結果から著者らは、発症時点の決定は患者の記憶に頼っているなど研究結果には制限があるものの、アウトブレイク対策を効果的に進めるためには、発端患者が発症する2~3日前からの接触者を同定し、追跡に加える必要があると結論している。

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「Temporal dynamics in viral shedding and transmissibility of COVID-19」概要はNature Medicine誌のウェブサイトで閲覧できる。

引用元 : 日経メディカル 感染力はCOVID-19発症の2~3日前から高い
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