川崎病とコロナの関連、国内で確認されず
日本川崎病学会が調査、声明を発表新型コロナウイルス最新情報

川崎病とコロナの関連、国内で確認されず
日本川崎病学会が調査、声明を発表

日本川崎病学会は5月7日、川崎病の診療を行っている中核病院の医師に聞き取り調査を行った結果、「国内で報告された小児の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者はいずれも軽症で、欧米で報告されているような川崎病に類似した重症例や、川崎病とCOVID-19との合併例は確認できなかった」と報告。厚生労働省が4月29日に発表した「10歳未満のCOVID-19感染者228例のうち重症例は1例のみ」との報告とも結果が一致するとして、「川崎病とCOVID-19との関係を積極的に示唆できる情報は得られていない」との声明を発表した。その上で、患者や一般人に過度な不安を与えないよう呼びかけている。

欧米でコロナ感染の小児に川崎病に類似した症状相次ぐ

川崎病は1967年に川崎富作氏が報告した乳幼児の原因不明の疾患である。東アジアで好発し、日本での新規患者は年間約1万5000人。全身の血管に炎症が起こり、心臓に酸素や栄養を送る冠動脈に拡張や冠動脈溜が生じると心筋梗塞のリスクが高まる。

今回の調査は、米国、英国、フランス、スペイン、イタリアなどの欧州諸国から川崎病に類似した症状を示す小児患者が増加しており、重症患者の一部にCOVID-19患者が含まれているという報告を受けて実施したもの。2020年5月1日~2日に、川崎病患者の診療を行う中核病院に勤務する医師(同学会運営委員)56人に対しメールで質問票を送り、回答を集計した。

調査では、2020年2~4月に、①例年と比べて川崎病の発生状況に変化はあるか②川崎病患者の重症度、重症例の発生状況に変化はあるか③小児COVID-19患者を診療した場合、(1)COVID-19患者数(2)COVID-19患者の中でCOVID-19患者の中で報道のような(重症)川崎病を疑う症例が存在したか(3)(重症)川崎病例の中でCOVID-19を疑う症状を示す患者が存在したか④自由回答(川崎病診療において気が付いた点)―の4項目について尋ねた。

COVID-19患者で川崎病疑い例の報告なし

調査対象の56人中34人(18都道府県、32施設)から回答を得た。

川崎病の発生状況について33人(複数回答)が回答し、「減少」が17人(57.6%)、「変化なし」が13人(39.4%)で、「増加している」との回答はゼロだった(「回答なし」が2人)。また、重症例の発生状況(複数回答)に関しては、大多数が例年と比べて「変化なし」と答えた。

COVID-19患者の診療の有無については34人が回答し、11人(32.4%)で診療経験があった。患者数は27例だが、全例が軽症または無症状であり、重症化例はいなかった。

「COVID-19患者の中で報道されているような(重症)川崎病を疑う症例が存在したか」との質問には、34人全員が「なし」と答えた。

逆に「(重症)川崎病患者の中でCOVID-19を疑う症状を示す患者が存在したか」の問いには、34人中33人が「なし」(川崎病症状のある小児患者にPCR検査を実施し陰性だった)と回答。残る1人のみが「急性期に肺野に浸潤影を認め、PCR検査したが結果が陰性だった」とした。

自由回答に対しては、複数の回答者から「小児科外来、入院ともに患者が減少している」「感染症患者が減少し、川崎病患者も減少している」などの声が聞かれた他、「東京都で小児COVID-19患者を最も多く診療している病院からの報告でも、全例対症療法のみで軽症とのことだった」「発熱によって適切な診療を受けられず診断が遅れた症例はない」などの指摘が見られた。

「現在、欧米のような状況にはない」と結論

今回の調査結果を踏まえ、同学会では「COVID-19の流行が拡大した2020年2~4月において川崎病患者の増加は確認されず、集中治療室(ICU)管理が必要な重症川崎病、川崎病類似症例の報告はなかった」と指摘。さらに、「小児COVID-19感染症は少数例確認されたが、全例軽症だった。これは厚生労働省の報告と一致する」とした上で、「少なくとも現時点では、欧米で報告されているような状況は確認されなかった」としている。

崎病とCOVID-19との関連については、「今後も動向を注視し、必要に応じて全国調査を考慮したい」との見解を示している。

引用元 : Medical Tribune 川崎病とコロナの関連、国内で確認されず
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