膵炎薬カモスタット、新型コロナの治験開始
今年8月に第Ⅰ相試験の終了目指す
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膵炎薬カモスタット、新型コロナの治験開始
今年8月に第Ⅰ相試験の終了目指す

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療候補薬の1つである慢性膵炎などの治療薬カモスタット(商品名フオイパン)の臨床試験を開始した、と同薬の販売元である小野薬品工業が6月5日に発表した。ウイルス膜と細胞膜の融合を阻止することで、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2が細胞に侵入するのを防ぐ効果があると考えられている。

培養細胞を用いた実験で有効性を示唆

カモスタットは国内では1985年に慢性膵炎の治療薬として承認され、1994年には術後逆流性食道炎の適応を取得し、長年にわたり処方経験が蓄積されている薬剤。

COVID-19に関しては、今年(2020年)3月にドイツの研究グループが培養細胞を使った実験でカモスタットを使うとSARS-CoV-2の細胞内への侵入(感染)を防げることをCellに発表し、注目されていた。

SARS-CoV-2はヒトの気道などの細胞に存在するACE2受容体に結合した後、ウイルス膜と細胞膜を融合させて侵入、感染する。膜融合には細胞側の蛋白分解酵素であるTMPRSS2が関わっているが、カモスタットにはこの酵素の働きを妨げる作用があることが知られている。

承認用量を超えた量で検討

慢性膵炎では通常、1日の用量としてカモスタット600mgを3回に分けて投与するが、第Ⅰ相試験ではより高い有効性を得るため、承認用量を超えた量を使用して健康成人を対象に安全性を検証する。有効性を示唆するドイツの研究グループなどによる論文報告とヒトにおける血中濃度の関係性を踏まえて検討し、8月ごろに試験の終了を目指す。

試験で安全性が確認されれば次のステップに移る計画だが、第Ⅱ相試験などの規模や開始時期、申請時期などについては現時点では未定だという。同剤の薬価は1錠21.50円で、1日約130円の計算となる。後発品も参入している。

引用元 : Medical Tribune 膵炎薬カモスタット、新型コロナの治験開始
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