紫外線強い時期、ウイルス殺す効果も
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紫外線強い時期、ウイルス殺す効果も

■天気のなぞ

夏至が近づき、1年でもっとも日照時間の長い季節となった。梅雨入り前でも、夏を思わせる日差しとともに紫外線が強まる。5月後半から9月初めごろにかけてが、年間でもっとも強い時期だ。紫外線の浴びすぎは有害だが、悪いことばかりではない。体内でビタミンDを生成するのに必要なほか、殺菌効果がある。新型コロナウイルスをやっつける効果も期待されている。

紫外線は天から降り注ぐ日射量の増加とともに増える。単純に考えれば南中高度がもっとも高い夏至の頃に年間で最大になりそうだが、実際にはピークはやや遅れて真夏の7~8月になる。紫外線の多くを吸収する大気中のオゾン量が北半球の中緯度では真夏~秋口に最少になるためだ。梅雨明け後に晴天の日が多くなるのも一因とみられる。

天気さえよければ、今の時期の紫外線はかなり強い。肌などに影響し、皮膚がんや白内障の原因ともなる。肌が敏感な人は日傘や帽子、手袋などで浴びすぎないよう気をつけたい。

紫外線は波長の長い方からUV-A、B、Cがあり、UV-Cは人体には危険だが大気中のオゾン層に吸収されてほとんど地表に届かない。UV-Bは一部が届き、皮膚がんなどを起こすことがあるため有害紫外線と呼ばれる。UV-Aも長時間浴びると悪影響が出る可能性がある。

紫外線の強さを見るときは、人体などへの影響を考慮したUVインデックスという数値を使う場合が多い。晴れていれば、太陽高度がもっとも高い正午前後に最大値となる。昼前後にもくもくと積乱雲が湧いてくるような日は、最大になる時間がずれる。

気象庁の国内観測点は茨城県つくば市のみだが衛星観測やアメダスの日照、降水量観測などをもとに全国の紫外線量を推定し、最大値の分布図をホームページに出している。国立環境研究所も独自にUVインデックスの時間変化のグラフを作成しており、外出時などに役立つ。

肌が赤く腫れるなど悪い面ばかり注目されがちな紫外線だが、よい働きもする。体内におけるビタミンDの生成だ。ビタミンDは食べ物からのカルシウムの吸収を助け、高齢者や女性に多い骨粗しょう症を防ぐのにも役立つと言われる。

国環研の地球環境研究センターは目安として10万分の1グラムのビタミンDを生成するには何分ほど日を浴びればよいかを計算し、公表している。顔と両手の甲の合計面積に相当する600平方センチメートルほどの皮膚を、空に向けると仮定する。たとえばつくば市では6月6日午前10時前なら、10分ほど浴びるのがちょうどよかった。ただし、30分を超えると有害な影響が出る恐れがあった。

遺伝子を物理的に傷つける紫外線は、殺菌用としてよく使われる。ではウイルスに対して効き目はあるのか。これまでにインフルエンザウイルスを不活化する効果が報告されており、一般的なコロナウイルスはインフルよりもさらに紫外線に弱いとされる。

大阪府立大の秋吉優史准教授の試算では、夏の理想的な日射条件で太陽光を2時間半近く当てると、UV-Bの効果で新型コロナウイルスの活動を1000分の1程度に減らせる可能性があるという。タングステンを使う光触媒とUV-Aの組み合わせでも、効果が見込めるとしている。衣服などを晴天時に日当たりのよいところに何時間か干せば安心につながる。

UV-Cを使う遠紫外線の照射装置も、ウイルス不活化などを目的に実用化している。波長を工夫すれば安全性を高められることがわかってきたため、今後利用に弾みがつくかもしれない。

引用元 : 日本経済新聞 紫外線強い時期、ウイルス殺す効果も
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