COVID-19患者への血漿療法に有効性見られず
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COVID-19患者への血漿療法に有効性見られず

最近、重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者数例において回復期血漿輸血後の転帰改善が報告されたことから、ランダム化比較試験による検証が求められていた。中国・Chinese Academy of Medical SciencesのLing Li氏らは、重症および重篤なCOVID-19患者に対する回復期血漿療法の有効性・安全性を評価するため、標準治療+回復期血漿療法と標準治療単独を比較する多施設ランダム化臨床試験を実施。臨床的改善までの期間に有意差は見られなかったことをJAMA(2020年6月3日オンライン版)に発表した。

感染封じ込めにより試験が早期終了

試験の対象は、2020年2月14日~4月1日に、中国・武漢市にある7施設で治療を受けた重症(呼吸困難および/または低酸素血症)または重篤な(ショック、臓器不全または人工換気を要する)COVID-19患者。オープンラベルで標準治療に回復期血漿療法を追加した群と標準治療のみの群にランダムに1対1に割り付けた。

当初、対象症例200例の登録を予定していたが、武漢でのCOVID-19流行の封じ込めにより3月28日以降患者を募集できず、合計103例が登録された後、試験は4月28日に早期終了した。

重症患者では有意差あり、重篤患者では有意差なし

血漿療法群には重症例23例、重篤例29例の計52例、標準治療単独群にはそれぞれ22例、29例の計51例が割り付けられた。

主要評価項目は28日間のフォローアップ中に臨床的改善(退院または6段階の疾患重症度スコアが2段階改善)が見られるまでの期間とした。

その結果、血漿療法群で28日間に改善が認められたのは51.9%(27/52例)、標準治療単独群では43.1%(22/51例)で両群間に有意差はなかった〔ハザード比(HR) 1.40、95%CI 0.79〜2.49、P=0.26〕。

重症患者と重篤患者に分けて改善率を見ると、重症患者では血漿療法群で91.3%(21/23例)、標準治療単独群では68.2%(15/22例)と血漿療法群の方が有意に高かった(HR 2.15、95%CI 1.07〜4.32、P=0.03)。重篤患者では、それぞれ20.7%(6/29例)、24.1%(7/29例)で両群間に有意差はなかった(HR 0.88、95%CI 0.30〜2.63、P=0.83)。

PCR陰性化率は血漿療法群で有意に高い

副次評価項目である死亡までの期間、ランダム化から退院までの期間についてはいずれも両群間で有意差はなかった。

しかし、同じく副次評価項目である72時間後のPCR検査陰性化率は血漿療法群が87.2%で標準治療単独群の37.5%より有意に高く(オッズ比11.39、95%CI 3.91〜33.18、P<0.001)、回復期血漿療法がCOVID-19患者の抗ウイルス活性と関連していることが示唆された。

安全性に関しては、血漿療法群の2例で輸血に関連する有害事象が発生したが、支持療法により改善した。

重症例を対象とした大規模試験が必要

以上の研究結果から、回復期血漿療法が重症患者において臨床的に有益な可能性が示唆されたが、治療法と重症度の交互作用の検討で統計的有意差はなかったため、重症例と重篤例を異なる結果として解釈すべきではないという。

同氏らは「本研究はサンプルサイズが小さく、試験期間が不十分であった可能性があり、今後、重症患者に焦点を当てた大規模試験が必要である」と強調している。

引用元 : Medical Tribune COVID-19患者への血漿療法に有効性見られず
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