ウイルスは10時間で院内の4割超に拡散
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ウイルスは10時間で院内の4割超に拡散

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がどのように医療機関全体に拡散していくのか。英・University College LondonのS. Rawlinson氏らは、ヒトには感染しないSARS-CoV-2のサロゲートウイルスを用いて医療機関内におけるウイルス拡散をシミュレート。その結果、ベッドの手すりに付着させたサロゲートウイルスは、10時間後には院内に設置したサンプルの41%に拡散していたと、J Hosp Infect (2020年5月20日オンライン版)に報告した。

3日後には52%に拡散

Rawlinson氏らは、SARS-CoV-2のサロゲートウイルスとしてヒトに感染しないが植物には感染するウイルスのDNAの一部を人工的に複製。感染患者に見られるSARS-CoV-2と同量のウイルスを水0.1mLに添加し、隔離室に配置したベッドの手すりに噴霧した。その後5日間にわたって院内44カ所からサンプルを収集し、サロゲートウイルスの有無を判定した。

開始から10時間後、ロゲートウイルスは病室のドアノブ、待合室に置かれたソファの肘かけ、院内にある子供の遊び場の玩具や絵本などからも検出され、サンプル全体の41%に拡散していた。3日目には52%まで増加したものの、5日目には41%に減少した。

なお院内で最もサロゲートウイルスの陽性率が高かったのは、1部屋に複数のベッドを配置した病室を含む近隣の病室、および処置室などの臨床エリアで、3日目の陽性率は86%にも及んでいた。しかし4日目には病室周囲の陽性率は60%となった。

実際のSARS-CoV-2のケースだと

共同研究者で同大学のLena Ciri氏は「われわれの研究は、ウイルスの伝播において接触面が重要な役割を果たすこと、手指衛生と環境の消毒を徹底することの重要性を示している」と述べている。

ベッドの手すりのみに1回噴霧したサロゲートウイルスは、医療スタッフ、患者および見舞いに来た家族や友人・知人を介して院内の4割超に拡散していた。この点を踏まえ、同氏は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者は咳やくしゃみ、体への接触によって、さらに多くのスペースにウイルスを拡散させる」と指摘。また、共同研究者で同大学のElaine Cloutman-Green氏は「COVID-19患者の飛沫が付着した表面に触れた後に眼、鼻、口を触ることでSARS-CoV-2に感染するリスクがある」と警鐘を鳴らしている。

引用元 : Medical Tribune ウイルスは10時間で院内の4割超に拡散
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