新型コロナ死亡と空腹時血糖との関連は?
中国・武漢2施設のデータを解析
新型コロナウイルス最新情報

新型コロナ死亡と空腹時血糖との関連は?
中国・武漢2施設のデータを解析

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の空腹時血糖(FBG)は予後予測因子となるかー。中国・Huazhong University of Science and TechnologyのSufei Wang氏らは、両者の関連を検討するため同国武漢市内2施設のデータを後ろ向きに解析し、結果をDiabetologia(2020年7月10日オンライン版)に報告した。

糖尿病未診断のCOVID-19入院患者605例が対象

高血糖は市中肺炎や脳卒中、急性心筋梗塞などの患者において死亡リスクを上昇させる。最近の米国の報告では、糖尿病あるいは管理不良による急性高血糖がCOVID-19患者の入院期間の延長や高い死亡率と関連することが示されている(J Diabetes Sci Technol 2020; 14: 813-821)。こうした背景から、同氏らは糖尿病未診断のCOVID-19入院患者におけるFBGと28日後死亡との関連について検討した。

対象は、2020年1月24日〜2月10日に中国・武漢市の2施設にCOVID-19で入院した患者1,258例のうち、糖尿病未診断で入院時のFBGデータがあり、入院28日後までに転院していないなどの条件を満たした605例(平均年齢59.0歳、男性53.2%)。肺炎の重症度を評価するCRB-65スコアは0点が334例(55.2%)、1〜2点が261例(43.1点)、3〜4点が10例(1.7%)であった。

FBG値別に①低値(109.8mg/dL未満)329例②中等値(124.2mg/dL未満)100例③高値(126mg/dL以上)176例―に分けた。なお、退院の条件は体温が平熱に戻ってから3日以上が経過し、呼吸器系の機能が著明に改善かつ画像所見において急性滲出性病変の著しい改善が認められ、2回のリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が陰性であった場合とした。

CRB-65高スコアおよびFBG高値例ほど28日後死亡が増加

期間中に114例が死亡した。死亡群と生存群を比較したところ、死亡群はより高齢で(平均年齢:死亡例66.0歳 vs. 生存例56.0歳)、男性の割合が高く(68.4% vs. 49.7%)、既往歴を有する割合が高く(48.3% vs. 31.2%)、いずれも有意差が示された(順にP<0.0001、P=0.0003、P=0.0005)。既往歴は、死亡群で脳血管疾患が有意に多かった(6.1% vs. 1.8%、P=0.0098)。また、CRB-65スコアが3〜4点および入院時のFBG高値の割合は、生存群に比べ死亡群で多かった。

多変量Cox回帰分析を用いて、COVID-19入院患者における28日後死亡と関連する因子を検討した。その結果、年齢〔ハザード比(HR)1.02、95%CI 1.00〜1.04〕、男性(同1.75、1.17〜2.60)、CRB-65スコア1〜2(同2.68、1.56〜4.59)、3〜4(同5.25、2.05〜13.43)、FBG高値(同2.30、1.49〜3.55)が独立した因子として抽出された。なお、HRがより高かったCRB-65スコアとFBG値に有意な相関は認められなかった。

今回の結果から、Wang氏らは「糖尿病未診断でCOVID-19により入院した患者では、高齢、男性、CRB-65高スコア、FBG高値が28日後死亡の独立した予測因子であることが示唆された」と結論。従来の知見で糖尿病や高血糖とCOVID-19死亡リスクとの関連が示されていることに加え、今回の解析でFBG高値がCOVID-19入院患者の死亡リスクを高めることが示された点を踏まえ、「糖尿病未診断であっても、COVID-19により入院する患者では血糖の測定および管理が重要である」と付言した。

引用元 : Medical Tribune 新型コロナ死亡と空腹時血糖との関連は?
お申し込みはこちら