新型コロナ診断にはRT-PCRよりCTが有用
中国・武漢同済病院の疑い例1,014例の解析
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新型コロナ診断にはRT-PCRよりCTが有用
中国・武漢同済病院の疑い例1,014例の解析

中国・武漢同済病院で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)疑いにより逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)と胸部CTの両検査を施行した1,014例を解析した結果、胸部CTのCOVID-19検出感度は高く、診断においてRT-PCRよりも有用であることが示唆された。同院のTao Ai氏らがRadiology(2020年2月26日オンライン版)に報告した。

RT-PCRの感度の低さは感染拡大リスクに

現時点でCOVID-19には有効な治療薬やワクチンが存在しないため、早期の診断、感染者の迅速な隔離が不可欠である。中国政府が最近発表したガイドラインでは、呼吸器/血液検体のRT-PCR検査または遺伝子シークエンスによるCOVID-19確定診断が入院の必要性を示す重要な指標となるとしている。しかし、検体採取と検査施設への輸送能力の限界、検査キットの精度の問題から、咽頭スワブ検体の初回RT-PCR検査における陽性率は約30~60%にとどまる。

公衆衛生上の緊急事態が続く中、RT-PCR検査の感度の低さにより、多くの患者に対して迅速な診断と適切な治療が行われていない可能性がある。さらに、新型コロナウイルス(2019-nCoV)の感染力の高さを考慮すると、大規模な感染伝播リスクがある。

そこでAi氏らは、今年(2020年)1月6日~2月6日に同院で胸部CTとRT-PCRの両検査を施行したCOVID-19疑い症例1,014例を対象に、RT-PCRの結果を基準として胸部CTによるCOVID-19検出能を評価、その診断的価値と一貫性について検討した。両検査を複数回施行した患者では、検査結果の経時的変化についても比較した。

胸部CTのCOVID-19検出感度は97%

検討の結果、601例(59%)がRT-PCR陽性、888例(88%)が胸部CT陽性であった。RT-PCR陽性を基準とすると、胸部CTによるCOVID-19検出感度は97%(95%CI 95~98%、601例中580例)であった。

RT-PCR陰性例(413例)の75%(308例)が胸部CT陽性であり、このうち48%で「感染の可能性が非常に高い〔highly likely:臨床症状(熱、咳、倦怠感かつ/または息切れ)および典型的なCT画像所見の短期間での明らかな進行または改善〕」、33%で「感染の可能性(probable:臨床症状および典型的なCT画像所見の不変またはCTのフォローアップ検査なし)」と判断された。

RT-PCRを複数回施行した患者(258例)において、初回陰性から陽性に転じるまでの期間は平均5.1±1.5日、初回陽性から陰性に転じるまでの期間は平均6.9±2.3日であった。初回胸部CTでCOVID-19陽性を示す所見が、初回RT-PCR陽性と同時またはそれよりも早く確認された症例の割合は、サブグループにより差はあるものの60~93%によった。一方、RT-PCRが陰性に転じる前に胸部CTで改善が見られた症例は42%(57例中24例)であった。

胸部CTにより流行地域での迅速診断が可能

Ai氏らは「RT-PCR陰性だが胸部CT陽性であった患者の約81%が、臨床症状とCOVID-19に典型的なCT像、経時的なCT検査に基づく包括的解析によりCOVID-19感染の可能性が極めて高い、または感染の可能性がある患者として抽出された」と指摘している。

胸部CTは肺炎診断におけるルーチンの画像検査ツールで、迅速かつ比較的簡便に施行できる。同氏らは「COVID-19の治療と抑制には早期診断が極めて重要である。特に流行地域では、胸部CT検査がRT-PCRと比べて信頼性が高く実用的で迅速なCOVID-19診断・評価法である可能性がある」として、COVID-19の一次スクリーニングでのCT使用を提案している。

引用元 : Medical Tribune 新型コロナ診断にはRT-PCRよりCTが有用
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