ウルムチ“ロックダウン”、搭乗前PCR検査義務化に見る中国的コロナ対策
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ウルムチ“ロックダウン”、搭乗前PCR検査義務化に見る中国的コロナ対策

日々さまざまなメディアで報じられる医療ニュース。視点を変えると違った側面が見えてくるかもしれません。全国紙や出版社で執筆経験豊富なベテランジャーナリストが、多角的なニュースの味わい方をお届けします。

日本では、外出自粛の緩和だ、Go Toキャンペーンだと言っているうちに、再び新型コロナウイルス感染患者が急増し、第2波の到来を予感させる状況となっている。一方、新型コロナの発生地である中国では、感染抑制に成功し、2020年4月~6月の国内総生産(GDP)は前年同期比で3.2%増加。世界では感染者や死亡者が増え、経済も低迷する中、一人勝ちの様相だ。

しかし、国土が広大なだけに、感染者も各地に拡散。「一帯一路」経済圏構想の西部における拠点で、新彊ウイグル自治区の区都・ウルムチ市では、事実上ロックダウン(都市封鎖)される事態に陥っている。

中国では、新型コロナの“震源地”となった湖北省武漢のロックダウンを4月8日に解除して以降、大都市では北京市・上海市、北京市の近隣では河北省・内モンゴル自治区、北朝鮮国境沿いでは吉林省・遼寧省、沿海部では福建省・広東省、内陸部では四川省などで感染者が見つかった。感染者数はいずれも1桁から2桁台で、どの都市もロックダウンには至っていない。

一方、ウルムチ市では7月半ばから感染者が急増。市当局は「戦時状態に入った」とし、17人の新規患者が出た7月17日24時をもって、市民の行動や交通機関の運行を制限、400万人都市を事実上ロックダウンすると共に、全市民を対象にPCR検査を始めた。

7月26日現在、同自治区における治療中の患者は178人、うちウルムチ市内の患者が176人とほとんどを占めている。ほぼ同様の人口を持つ日本の横浜市(約380万人)の新型コロナ感染者数は910人(27日現在)。横浜と比較すると、ウルムチ市のロックダウンは過剰反応にも思える。中央アジアやその先の欧州に向け、人と物が流れていく一帯一路の拠点都市であるため、再び震源地の汚名を被らぬようにした万全の措置なのか。

また、中国当局は7月20日、中国に乗り入れる航空便の乗客に対し、搭乗日の5日以内に、中国の在外公館が指定・認可する機関でPCR検査を受け、陰性であることを証明することを求める公告を、中国民用航空局・税関総局・外務省の連名で発表した。

取材したアメリカ滞在中の中国人留学生によると、症状がないとPCR検査を受けられない州が多く、病院は新型コロナ感染の危険性が高いので、「わざわざ検査を受けに行きたくない」「受けても5日以内に検査結果が出ない」などと留学生の間からぼやきの声があがっているという。

航空機の減便でチケットの入手が困難な上、チケット代が10倍以上も高騰している中、やっと高額なチケットを手に入れた在米中国人達は「中国当局は国内の安全を守るためにわれわれを切り捨てた」と嘆いているようだ。

新型コロナの感染防止には、人の移動を制限することが最も簡単で即効性があると中国政府は考えているようだが、やり方が強権的なのがいかにもかの国らしい。

引用元 : Care Net ウルムチ“ロックダウン”、搭乗前PCR検査義務化に見る中国的コロナ対策
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