米イーライ・リリー、コロナ抗体薬の後期治験 高齢者施設で
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米イーライ・リリー、コロナ抗体薬の後期治験 高齢者施設で

米製薬大手イーライ・リリーは3日、カナダのアブセレラ・バイオロジクスと共同開発する新型コロナウイルス抗体薬が後期段階の治験に入ると発表した。

新型コロナ患者が発生した高齢者施設で入居者やスタッフから最大2400人の参加者を募り、この薬の投与後4~8週間に感染や重症化を予防する効果が見られたか検証する。治験は米国立衛生研究所(NIH)と協力して進める。

リリーのモノクローナル抗体薬「LY-CoV555」は、新型コロナの回復患者から抽出した抗体がモデルとなっている。新型コロナのウイルスがヒト細胞に侵入するのを妨げ、感染や重症化を防ぐ効果が期待される。

米国では新型コロナによる死者の4割を高齢者向け施設の入居者などが占め、対策が急務となっている。リリーは治験用にキャンピングカーを改造した医療用車両を用意。新型コロナのクラスター(感染者集団)発生リスクのある施設が見つかった場合、迅速に移動し、施設内に必要な設備がなくても現場で治験を進められる体制を整えている。

リリーは「LY-CoV555」で新型コロナ感染患者を対象の中期段階の治験も並行して進めており、10~12月期に完了を見込む。これまでのところ、重篤な副作用は報告されていない。既に量産に向けた準備を進めており、治療への効果が確認できた場合、20年末までに10万回投与分の生産が可能としている。

新型コロナの感染拡大に収束の兆しが見えない中、経済正常化にはワクチンなど予防薬の実用化が鍵を握ると見られている。予防ワクチンは米ファイザーや英アストラゼネカなどの開発する候補が治験の最終段階に入り、開発が急ピッチで進む。

ワクチンが体内の免疫の仕組みを利用し抗体の生成を促すのに対し、抗体薬はウイルス感染から回復した患者が獲得した抗体のコピーを作り、直接投与する仕組みをとる。ワクチンは量産や輸送のハードルが高いうえ、健康上の理由で接種できないケースも想定される。抗体薬を実用化できれば予防の選択肢を広げることができる。

引用元 : 日本経済新聞 米イーライ・リリー、コロナ抗体薬の後期治験 高齢者施設で
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