新型コロナを二類感染症から解除すべき
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新型コロナを二類感染症から解除すべき

現在流行しているウイルスは第一波とは異なる

国立感染症研究所の病原体ゲノム解析研究センターが、6月以降に全国に広がっている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、新しいタイプの遺伝子配列を持つウイルスであることを公表した。

現在、増加している全国のSARS-CoV-2陽性者のほとんどが、第一波とは異なる新タイプに属するウイルス感染ということである。

SARS-CoV-2のゲノム(全遺伝情報)は約3万塩基の1本鎖RNAでつくられている。このセンターでは、SARS-CoV-2の塩基の変異を足がかりに、ゲノム情報を基にしたクラスター解析(ハプロタイプネットワーク解析)を行ってきた。現在までの研究で、1~2月に入った武漢由来のウイルス株は終息し、3月に帰国者らが持ち込む形で欧州株が国内流行を起こしたことが既に判明している。

今回の発表は、7月16日までの国内患者3,618人の検体から採取したウイルスのゲノム塩基配列の違いを解析したものである。解析の結果、現在の流行の起点は6月中旬に顕在化したクラスターで、そのウイルスゲノムは、3月中旬に国内で確認された欧州型ウイルス株から6塩基変異したものであることが明らかとなった。この3カ月間に明確な「つなぎ」となる患者やクラスターが確認されていないため、軽症や無症状など患者として見つけられないままに、出張など人の動きによって感染がつながっていたのであろう。

二類指定が医療現場の切迫・疲弊の一因に

さて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、1月28日の閣議決定において「指定感染症(二類感染症相当)」となった。このことは、日本医師会からも全国の医師に周知された。

現在、二類感染症に指定されているのは、重症呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザ(それぞれの致死率は9.6%、34.4%、50%以上)など、いずれも毒性の高いもので、患者の入院・隔離、および医療機関での厳重な患者対応が必須となる。一方、COVID-19の致死率は当初から2~3%である。

しかしながら、COVID-19の二類感染症指定はその後も継続し、その結果、半年にわたって感染症法上の規定のみに準じて、科学的根拠とは関係なく、「無症状者・軽症者の入院・隔離」「医療現場での煩雑な患者対応」が義務付けられた。私は、この指定の継続が医療現場の切迫・疲弊の一因になったと考えている。情けないことに、感染者を犯罪者のように扱う社会風潮も散見されるようになっている。

感染性は高まったが、弱毒化している

RNAウイルスは常に変異を繰り返しているといわれている。SARS-CoV-2も既に世界中に4,000以上の変異株が報告されている。しかしながら一般的に、ウイルスの感染性と毒性は両立しない。SARS、MERS、鳥インフルエンザのように毒性が強いと、患者は重症化、死亡するので、ウイルスは他所に移動することができない。すなわち、「風土病」で終わってしまい、「パンデミック」になることはありえない。COVID-19の場合は、その変異の過程で毒性を弱めて感染性を高め、保菌者に動き回らせて世界中に拡散した、したがってパンデミックになった、ということだろう。

そもそも私は、第一波の時から、SARS-CoV-2を上記の「キラーウイルス」と同様の二類感染症のまま放置していた政府、感染症専門家の姿勢には疑問を持っていた。医療崩壊を人為的に誘導する危惧を抱いていた。事実、世界保健機関(WHO)がパンデミック宣言を出した3月上旬には既に「二類指定からの解除」を提案している(下記関連リンク参照)。

現状での、①6月以降のSARS-CoV-2は新しいタイプの遺伝子配列を持つウイルスである②6月以降に国内感染者数が増加している③それに反して重症化率・死亡率は減少している―というエビデンスは、「新タイプのSARS-CoV-2は感染性が高い一方で、さらに弱毒化している」という科学的結論を誘導しうると考えていいのではないか。

「医療資源を温存しながらの緩やかな感染の広がり」を目指すべき

遅ればせだとは思うが、今回の国立感染症研究所の研究成果を大義として、「二類指定」を解除すべきと考える。指定感染症から外してもいいし、五類に格下げでもいいだろう。もちろん、一方で政府や自治体が緊急事態宣言の再発動をチラつかせて、メディアが感染者の日々の増加を喧伝して、引き続きの国民への脅迫・規制の徹底は必須である。過剰な絶対数増加・感染爆発による、高齢者や健康弱者への健康被害の拡大は避けねばならない。

目指すべきは、「医療資源を温存しながらの緩やかな感染の広がり」ではないのか。二類指定から解除されれば、医療現場の過剰な負担は軽減されるだろう。医療崩壊を防いで医療資源さえ確保しておけば、重症化した患者は、従来のかぜの肺炎に準じた高レベルの医療を受けられるはずである。

以上は、あくまで門外漢の整形外科医である私が、学生時代に習った公衆衛生学の知識のみに基づいての私見である。ただ、政府の「専門家会議」や「政策分科会」では、このような単純で根本的な議論は出ないのだろうか。

引用元 : Medical Tribune 新型コロナを二類感染症から解除すべき
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