SARS-CoV-2抗体検査での米国の推定感染者数
抗体保有率から推定された感染者数は報告された患者数の6~24倍
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SARS-CoV-2抗体検査での米国の推定感染者数
抗体保有率から推定された感染者数は報告された患者数の6~24倍

米国疾病管理予防センター(CDC)のFiona P. Havers氏らは、米国の10地域で日常診療の一環として採取された血液検査標本を用いて住民のSARS-CoV-2抗体保有率を調べ、地域でのCOVID-19患者数と比較し、実際の感染者数は報告された患者数の6~24倍だったと推定した。結果はJAMA Intern Medicine誌電子版に2020年7月21日に掲載された。

血液サンプルは、コレステロールスクリーニング検査などの目的で、米国内の商業的な臨床検査ラボ2施設に保管されていた標本を利用した。これらの標本は米国の10地域(カリフォルニア州のサンフランシスコベイエリア、コネティカット州、フロリダ州南部、ルイジアナ州、ミネソタ州St Cloud-St Paul都市圏、ミズーリ州、ニューヨーク市、ペンシルベニア州フィラデルフィア都市圏、ユタ州、ワシントン州西部)で、3月23日から5月12日までの異なる期間に採取されたものだ。

主要評価項目は、SARS-CoV-2のスパイク蛋白質に特異的な抗体の存在とした。CDCが開発したELISA法により検出し、地域の居住者の年齢、性別を考慮した標準化抗体保有率を推定した。推定値は、検査精度の特性(感度96.0%、特異度99.3%)で補正した。

10地域で採血された1万6025人に由来する血清標本を分析した。対象者の55.2%が女性で、7.5%が18歳以下、36.5%が65歳以上だった。

どの地域でも、SARS-CoV-2抗体陽性者はわずかだった。抗体保有率は、サンフランシスコで4月23日~27日に採取された標本の1.0%(95%信頼区間0.3-2.4%)から、ニューヨーク市で3月23日~4月1日までに採取された標本の6.9%(5.0-8.9%)の範囲だった。抗体保有率と年齢、性別の間に明らかな関係は見られなかった。

抗体保有率と人口に基づいて感染者数を推定し、報告されているCOVID-19患者数と比較した。推定された感染者の数は、報告されている発症者の6倍から24倍だった。最も低かったのは報告数2万9287人の6.0倍と推定されたコネチカット州で、最も高かったのは報告数6794人の23.8倍と推定されたミズーリ州だった。10地域のうちの7カ所(コネティカット州、フロリダ州、ルイジアナ州、ミズーリ州、ニューヨーク市、ユタ州、ワシントン州、ミネソタ州)で、実際の感染者は報告数の10倍を超えると推定された。

これらの結果から著者らは、2020年3月から5月上旬まで、全米の地理的に離れた10地域で、住民の大半は感染していなかったが、どの地域でも抗体保有率から推定された感染者数は、報告された患者数を遙かに上回っていた。このことは、軽症または無症候の感染者が少なからず存在することを意味しており、ソーシャルディスタンスや頻回の手洗いなどの感染防止対策の継続が重要だと結論している。

原題は「Seroprevalence of Antibodies to SARS-CoV-2 in 10 Sites in the United States, March 23-May 12, 2020」、概要はJAMA Intern Med誌のウェブサイトで閲覧できる。

引用元 : 日経メディカル SARS-CoV-2抗体検査での米国の推定感染者数
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