Ann Intern Med誌から
COVID-19患者の危険因子は65歳未満の肥満
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COVID-19患者の危険因子は65歳未満の肥満

米国Columbia大学Irving Medical CenterのMichaela R. Anderson氏らは、ニューヨーク市内の2病院に入院したCOVID-19患者のBMIと、気管挿管または死亡の関係を検討する後ろ向きコホート研究を行ったところ、肥満者のリスクが有意に高く、リスク上昇が有意になるのは65歳未満の肥満者だったと報告した。結果は、Ann Intern Med誌電子版に2020年7月29日に掲載された。

肥満は、ウイルス性および細菌性の肺炎と急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、および、肺移植後の急性呼吸不全の危険因子であることが示されている。一方で、肥満は肺炎とARDSによる死亡率低下に関連するという矛盾する報告もある。COVID-19については当初、入院患者と機械的換気を必要とする患者には肥満者が多いと報告されており、さらに、肥満が死亡リスクの上昇に関係する可能性も指摘されていた。が、併存疾患や年齢が、COVID-19の転帰と肥満の関係に及ぼす影響については検討されていなかった。

著者らは、肥満は、COVID-19で入院した患者の気管挿管または死亡のリスク上昇に関係し、BMI高値は、入院時の炎症マーカー高値、赤沈亢進、心損傷の進行、線維素溶解の亢進の上昇と関係すると仮定し、臨床データで検討することにした。

後ろ向きコホート研究の対象は、2020年3月10日から4月24日までの45日間に、Columbia大学Irving Medical Centerと関連病院のAllen Hospitalの救急部門を受診し、その後入院した患者で、鼻咽頭スワブのPCR検査でSARS-CoV-2感染が確定した人。救急受診後に退院できた患者、入院前に死亡した患者、18歳未満の患者は組み入れから除外した。条件を満たした患者は6月10日まで追跡した。

BMIは入院中最初に測定した身長と体重から計算した。期間中に測定した記録がない患者は、以前に入院していたときのBMIを調べた。極端な数値(身長120cm未満や、体重220kg超など)の患者は、対象から除外した。BMIはWHOの基準に基づいて、18.5未満を低体重、18.5~24.9を正常体重、25.0~29.9を過体重、30~34.9はクラス1の肥満、35~39.9をクラス2の肥満、40以上をクラス3の肥満に分類した。各群を比較する場合は、過体重群を基準にした。

患者の状態を把握するバイオマーカーとして、CRP、赤血球沈降速度(ESR)、高感度トロポニン、Dダイマーを入院時に検査し、入院経過中も調べた。

主要評価項目は、救急受診時から気管挿管、または院内で死亡するまでの時間とした。副次評価項目は、気管挿管時点から院内で死亡するまでの時間とした。

期間中に入院したCOVID-19患者は2673人いた。このうち小児と複数入院の重複患者207人を除く、2466人をコホートに組み入れた。入院中の身長/体重計測データがない患者は387人(16%)いた。このうち336人は以前の入院時に測定した値からBMIを決定した。また303人(12%)は極端な数値のため分析対象から外した。

コホートに組み入れた患者の年齢は、中央値で67歳(四分位範囲54~78歳)、58%が男性、49%がヒスパニック系の患者だった。52%は高血圧を合併しており、40%は糖尿病があった。併存疾患の数は中央値で2(四分位範囲0~3)だった。BMIを分類できたのは2112人で、中央値は27.9(四分位範囲24.3~32.6)だった。2112人のうち、68人は低体重、542人は正常体重、717人が過体重、444人はクラス1の肥満199人はクラス2の肥満、142人はクラス3の肥満に分類された。

入院期間の中央値は7日(四分位範囲3~14日)で、その間に533人(22%)が挿管され、627人(25%)が死亡し、1247人(51%)は退院していた。6月10日時点で59人(2%)が引き続き入院していた。28日以内の院内死亡は559人(23%)だった。

Cox比例ハザードでの罰則付きスプライン曲線を描いたところ、BMIの上昇に対する複合イベント(挿管+死亡)のハザード比と95%信頼区間は、J字型の曲線を描いた。変曲点のBMIは30になった。

過体重の人々を基準として、挿管または死亡のリスクを推定したところ、最もリスクが高かったのはクラス3の肥満者で、年齢・性別・民族・併存疾患を補正したハザード比は1.6(95%信頼区間1.1-2.1)だった。クラス2の肥満者のハザード比は1.3(0.98-1.7)、クラス1の肥満者では1.1(0.9-1.4)だった。

この関係は主に、65歳未満の人々に観察された。過体重群と比較したクラス1肥満群のハザード比は1.3(0.9-1.9)、クラス2肥満群は1.8(1.1-2.7)、クラス3肥満群は2.0(1.3-3.1)になった。一方で65歳以上の人々では、それぞれ1.0(0.8-1.3)、1.0(0.7-1.4)、1.2(0.7-1.9)で、肥満による有意なリスク増加が見られなかった。

1916人(91%)の患者は入院時のCRPが、1915人(91%)はトロポニンが、1678人(79%)はDダイマーが、1815人(86%)はESRが記録されていた。BMI値とそれらの検査値の間に、有意な関係は見られなかった。

これらの結果から著者らは、肥満は65歳未満のCOVID-19患者の院内死亡または挿管リスクと関連していたが、65歳以上の患者では関連が見られなかったと結論している。この研究は米国National Institutes of Healthの支援を受けている。

原題は「Body Mass Index and Risk for Intubation or Death in SARS-CoV-2 Infection A Retrospective Cohort Study」、概要はAnn Intern Med誌のウェブサイトで閲覧できる。

引用元 : 日経メディカル COVID-19患者の危険因子は65歳未満の肥満
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