COVID-19パンデミック時の糖尿病管理の重要性が高まる
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COVID-19パンデミック時の糖尿病管理の重要性が高まる

糖尿病はどのようなときにも適切にコントロールされていた方が良い。特に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が糖尿病の人々を危険な状態に導くというエビデンスが蓄積されつつある現在、糖尿病を適切に管理しておく必要性が、かつてないほど重要になっている。

「糖尿病自体がCOVID-19重症化の危険因子だ」とカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のPrakash Deedwania氏は言う。米疾病対策センター(CDC)では、糖尿病患者がCOVID-19に感染した場合、基礎疾患のない人より入院を要する確率が6倍、亡くなる確率が12倍高くなるとして、糖尿病を心血管疾患に続くCOVID-19重症化につながる基礎疾患に挙げて注意喚起している。Deedwania氏は、血糖コントロールが良くない状態が長期間続くと、心臓病や脳卒中、腎臓病、神経障害、あるいは失明を含む視覚障害などが発生する可能性があるばかりでなく、免疫システムが脆弱化すると述べている。

その一方で、糖尿病をコントロールすることで、異なる結果を生み出すことも可能なようだ。中国から最近、COVID-19に罹患した糖尿病患者のうち、血糖管理が良好な人はそうでない人よりも死亡率が低いと報告された。米オハイオ州立大学のJoshua Joseph氏は、「血糖値が高い人は医療従事者と連絡を取り合い、高血糖を管理すべきだ」としている。

パンデミック中、遠隔医療の利用が拡大している。Joseph氏も、インスリン投与量の調節も含めた遠隔医療を行っている。ただし、血糖値が非常に高い患者には来院を求めるという。同氏の施設では、血糖管理目的で患者が受診する場合に備えて、十分な感染予防対策を講じている。「血糖コントロールが不良な状態を修正する必要があるにもかかわらず、COVID-19感染の恐れから医療機関受診をためらうべきではない」と、同氏は語っている。

Deedwania氏とJoseph氏は、COVID-19禍での糖尿病患者の血糖コントロールに関連し、以下の3点を推奨している。

・処方どおりに薬を使用し、予備の薬を十分に手元に置いておく。心臓病予防のために糖尿病患者によく処方されるACE阻害薬やアンジオテンシン受容体拮抗薬などに関し、いくつかの誤った情報が流布されたことを強調したい。米国心臓病学会(ACC)、米国心臓協会(AHA)、米国心不全学会(HFSA)は3月に、「医師の指示がない限り、これらの薬を服用している患者は治療を継続すべきである」との声明を発表している。

・血糖値を頻繁に確認し、インスリンと食事を調整して、血糖コントロールに努める。テイクアウト食品を食べ過ぎないように。使われている食材が明確に分かる、家庭で調理された料理をなるべく食べるようにする。

・ストレス解消。ストレスが高まると、血糖コントロールが不良になることがある。

Joseph氏は、ストレスを軽減し血糖コントロールを維持する具体的な方法として、「強力なソーシャルサポートネットワークと良好な関係を保つことが重要。また、週に150分以上の運動を行い、睡眠を十分に取り、瞑想や深呼吸、音楽を聴くことも良い」とアドバイスしている。またDeedwania氏は、「COVID-19への暴露を避けるために必要な予防策を講じることは、もちろん大切。糖尿病がある場合、常にマスクを着用した方が良い」と述べている。

[2020年7月24日/American Heart Association] Copyright is owned or held by the American Heart Association, Inc., and all rights are reserved. If you have questions or comments about this story, please email editor@heart.org.

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Stokes EK, MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020;69: 759-765.

引用元 : Care Net COVID-19パンデミック時の糖尿病管理の重要性が高まる
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