新型コロナ、不顕性者からの感染リスクは?
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新型コロナ、不顕性者からの感染リスクは?

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不顕性感染者が他者に感染させるリスクはあるのかー。この問題については、今年(2020年)6月に世界保健機関(WHO)が「極めてまれ」との見解を示したが、直後に反論や疑問の声が上がり、釈明会見を開いたことが記憶に新しい(関連記事「新型コロナ、不顕性者からは『極めてまれ』」、「『極めてまれ』で釈明会見、WHO」)。中国・Guangzhou Center for Disease Control and PreventionのLei Luo氏らは、同国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者および濃厚接触者を対象に二次感染リスクを検証する前向きコホート研究を実施。症状の有無および重症度別の結果をAnn Intern Med(2020年8月13日オンライン版)に報告した。

COVID-19患者391例と濃厚接触者3,410例を追跡

COVID-19患者との濃厚接触による二次感染リスクについての検証はいまだ十分でない。そこでLuo氏らは、中国・広州市を中心としたCOVID-19患者との濃厚接触による二次感染リスクについて前向きコホート研究で検証した。

対象は、COVID-19患者391例(年齢中央値48.0歳、男性50%)と濃厚接触者3,410人(同38.0歳、52.8%)。今年1月13日〜3月6日の追跡期間中におけるSARS-CoV-2の曝露環境、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査、臨床所見、二次感染に関するデータを収集した。

二次感染リスクは比較的低く、不顕性からの感染は限定的

検討の結果、SARS-CoV-2への二次感染が認められた濃厚接触者は127例(不顕性8例、軽症20例、中等症87例、重症・重篤12例)であった。濃厚接触したCOVID-19患者の数別に見ると1例が117例、2例が9例、3例以上が1例で、曝露環境別では家庭内が105例、公共交通機関が1例、医療機関が7例、娯楽施設または職場が11例、複数に該当が3例であった。

次に、COVID-19患者の重症度に基づいて二次感染率を検討した。その結果、不顕性が0.3%(95%CI 0.0〜1.0%)、軽症が3.3%(同1.8〜4.8%)、中等症が5.6%(同4.4〜6.8%)、重症・重篤が6.2%(同3.2〜9.1%)と、重症度が上がるにつれて二次感染率の有意な上昇が認められた(傾向性のP<0.001)。

なお、二次感染が認められなかった者ではCOVID-19患者との最終接触日から隔離に至るまでの日数中央値は4.0日(四分位範囲1.0〜12.0日)、濃厚接触者の隔離期間中央値は10.0日(同2.0〜14.0日)であった。二次感染が認められた者では、それぞれ1.0日(同0.0〜2.0日)、2.0日(同1.0〜5.0日)だった。研究の限界として、COVID-19患者による症状に関する想起バイアスの可能性や、濃厚接触者との接触時点における患者の症状および重症度については評価していない点を挙げている。

今回の結果から、Luo氏らは「COVID-19の二次感染リスクは比較的低いものの、家庭内での濃厚接触でリスクが高まることが示された」と結論。また、「COVID-19患者の重症度が高いほど二次感染リスクが上昇する一方、不顕性感染者によるリスクは限定的であることが示唆された。これはWHOが示した見解を支持する結果である」と付言している。

引用元 : Medical Tribune 新型コロナ、不顕性者からの感染リスクは?
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