レムデシビル、コロナ死亡率減に効果ほぼ無し WHO
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レムデシビル、コロナ死亡率減に効果ほぼ無し WHO

【パリ=白石透冴】世界保健機関(WHO)は15日、新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」について、コロナ患者の死亡率低下に「ほとんどあるいは全く」効果がないとの調査結果を発表した。同治療薬は新型コロナに感染したトランプ米大統領にも投与されていた。

調査は30カ国以上を対象にし、投与を受けた患者の死亡率や人工呼吸器の使用、入院日数などを調べた。WHOは「6カ月の調査で有効性(がないこと)の証拠が得られた」などと表明した。ただ「中間結果」だともしている。

レムデシビルは米製薬大手ギリアド・サイエンシズが手掛ける抗ウイルス薬。静脈に投与するエボラ出血熱の治療薬として開発された。新型コロナが自己複製をするために必要な酵素の働きを妨げ、ウイルスが増えにくくなるとみられてきた。

その結果として新型コロナからの回復を促すなどの報告が上がったため、米食品医薬品局(FDA)は5月、重症患者に限って、投与を認めた。日本など約50カ国も、新型コロナ薬として使っている。

今回の調査は患者にレムデシビルを投与したかどうかを患者や主治医に知らせたうえで進めた。「患者や医療者の期待などが効果判定に影響することを完全に排除できない」と日本国内の専門家は話す。

研究成果は外部の専門家による査読の前の段階だ。WHOによると現在、医学雑誌での公開に向けて検討中という。今回の結論は慎重に評価する必要がある。

ギリアド・サイエンシズは8日、レムデシビルを投与したコロナ患者は、プラセボ(偽薬)を投与した場合と比べ回復が平均で5日早まったとの臨床試験(治験)結果を公表したばかり。WHOの報告を受け、各国がコロナ治療薬としての位置づけを見直すかどうかが注目される。

WHOは他に、抗マラリア剤「ヒドロキシクロロキン」、抗エイズウイルス(HIV)薬「カレトラ」なども同じように「ほとんどあるいは全く」効果がないと判断した。トランプ氏はヒドロキシクロロキンについても服用していると語ったことがある。

新型コロナを巡っては、感染を防ぐワクチンと、感染後の重症化を防ぐ治療薬の研究が進んでいる。ワクチンは2021年中にも実用化できるとの期待がある。

引用元 : 日本経済新聞 レムデシビル、コロナ死亡率減に効果ほぼ無し WHO
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