低濃度オゾンガスで新型コロナの感染力低下
世界初、藤田医科大学が発見
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低濃度オゾンガスで新型コロナの感染力低下
世界初、藤田医科大学が発見

藤田医科大学ウイルス・寄生虫学教授の村田貴之氏は、同大学が昨日(8月26日)に開催したオンライン記者会見で、人体に害がないとされる低濃度のオゾンガスに新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染力を低下させる効果があることを発見したと発表した。低濃度でSARS-CoV-2に対する感染力抑制効果が確認されたのは世界で初めて。同席した同大学病院長の湯澤由紀夫氏は「SARS-CoV-2の感染防止の打つ手が限られている中で、院内感染のリスクを減らす効果が期待できる」と述べた。来月初旬から、同大学病院の発熱外来、救急外来などに低濃度オゾンガスの発生装置を設置し、院内感染対策に役立てる方針だ。

感染力あるウイルス量が4.6%まで減少

オゾンガスには、インフルエンザウイルスをはじめ、さまざまな病原体を不活化する効果があることが知られており、オゾンガス発生装置も販売されている。湯澤氏は「全ての医療機関が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の二次感染対策に非常に苦慮しているところ。院内でオゾンガス発生装置を設置、使用することで院内感染対策が可能になると期待している」と述べた。

村田氏の研究グループは、SARS-CoV-2のウイルス液をステンレスに付着させ、乾燥させた上でアクリル製の密閉容器に格納した。容器内にはオゾンガス発生装置、オゾンガス濃度測定装置、温度計、湿度計を入れ、日本産業衛生学会の作業環境基準で健康に悪影響がないとされる0.1ppm以下の濃度でオゾンガスを発生させて、SARS-CoV-2への影響を調べた。

オゾンガス処理の終了後、ステンレスに付着したウイルスを培養液で懸濁、回収。この懸濁液を希釈してサルの細胞に感染させ、オゾンガス濃度、湿度、反応時間の条件を変えて、感染力のあるウイルス量(感染性ウイルス量)の変化を評価した。

その結果、湿度80%の空間で0.1ppmのオゾンガスを発生させると、SARS-CoV-2の感染性ウイルス量は4時間後にはオゾンガスを発生させない場合の27%、7時間後には13%、10時間後には4.6%に減少した。それに対し、低濃度の0.05ppm(米国食品医薬品局の基準)のオゾンガスでは、20時間後には感染性ウイルス量はオゾンガスを発生させなかった場合の5.7%まで減った。

一方、条件を変えて湿度55%でオゾンガス0.1ppmで処理したところ、湿度80%に比べてウイルスの不活化効果は減弱したものの、4時間後には感染性ウイルス量は53%に減少した。

オゾンガスの発生時間と湿度に依存して高い効果

今回の実験では、ウイルス不活化効果は湿度に依存し、高湿度環境で効果がより高く、低濃度オゾンガスの発生時間が長くなると効果が増強されることが確認された。結果について研究グループは「特に湿度が高い空間において、人のいる環境であっても継続的に低濃度オゾンガスを発生させることで、SARS-CoV-2の伝播を低減できる可能性があることが示唆された」と結論した。

研究グループによると、低濃度オゾンガスにはインフルエンザウイルスなどの感染力を抑える効果があり、救急車など医療現場でも感染防止対策として使用されているという。SARS-CoV-2に対しては高濃度オゾンガスの効果が確認されているが、低濃度で効果が示されたのは初めて。

湯澤氏は「低濃度オゾンガスにウイルス不活化効果が確認されたことは非常にインパクトがある。SARS-CoV-2の感染防止策の打つ手が限られている中で、低濃度オゾンガスは安全に広く用いることができる」と強調した。

また同氏は「自宅や商業施設などで効果を発揮するかは今後検討する必要があるが、さまざまな場所で使われることを期待している」と述べるとともに、「冬季の乾燥している環境で、SARS-CoV-2の不活化効果を得るには、加湿器を使うなど工夫も必要になるのではないか」との見方を示した。

引用元 : Medical Tribune 低濃度オゾンガスで新型コロナの感染力低下
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