やはり効く!? コロナ治療にHCQ+AZM
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やはり効く!? コロナ治療にHCQ+AZM

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療における抗マラリア薬ヒドロキシクロロキン(HCQ)の使用をめぐっては、一時期は効果が期待されたものの、今年(2020年)6月に米食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可を撤回したことから下火になっている(関連記事「FDA、ヒドロキシクロロキン緊急使用を撤回」)。こうした中、イタリア・Policlinico di Monza, Infectious Disease DepartmentのMarinella Lauriola氏らはあらためて後ろ向きコホート研究を実施。HCQと抗菌薬アジスロマイシン(AZM)の併用療法によりCOVID-19患者の死亡リスクが低下したとして、Clin Transl Sci(2020年9月14日オンライン版)に報告した。

COVID-19患者377例を解析

COVID-19治療におけるHCQの使用をめぐっては、一時的に有効性を示す報告が相次いだ一方、有効性を疑問視する報告も多く寄せられたことから、FDAは6月15日に緊急使用許可を撤回。日本で公表されたばかりの初の薬物療法ガイドラインでも、"投与しないことを強く推奨"と明記されている(関連記事「初の新型コロナ薬物療法ガイドラインが公開」)。さらに、HCQ+AZMの併用療法についても、複数の大規模後ろ向き研究によりベネフィットは否定されている。

こうした中、Lauriola氏らは中等症〜重度のCOVID-19患者に対するHCQ+AZM療法の有効性および安全性をめぐる議論には決着が付いていないとの見解に基づき、単施設における後ろ向きコホート研究を実施した。

対象は、今年2月27日〜4月20日にイタリア北部ロンバルディア州のPoliclinico of Monzaに入院した18歳以上のCOVID-19患者。COVID-19の診断については逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査結果、肺のCT画像、下気道症状の所見などを基に判断し、377例を特定した。HCQまたはAZMが禁忌と判断された患者は除外した。なお、同州は当時、イタリア国内での感染者と死亡者が最も多かった地域の1つ。

併用療法により院内死亡リスクは74%低下

377例の背景は平均年齢が71.8歳、女性が34.2%を占めていた。治療薬別(HCQ+AZM併用療法群297例、HCQ単剤療法17例、いずれの薬物も使用しない無治療群63例)に院内死亡を比較した。その結果、146例の死亡が認められ、治療薬別では順に102例、7例、35例であった。

多変量Cox比例ハザード回帰モデルを用いて、院内死亡との関連因子を検討した。その結果、院内死亡のハザード比(HR)は年齢(HR 1.057、95%CI 1.035〜1.079)、人工呼吸器/CPAP治療(同2.726、1.823〜4.074)、平均値超のC反応性蛋白(CRP)値との有意な関連が認められた(いずれもP<0.001)。治療薬別では、無治療群と比較した院内死亡リスクは、単剤療法群では有意差は認められなかったものの(HR 1.108、95%CI 0.536〜2.293)、併用療法群では74%の有意な低下が認められた(同 0.265、0.171〜0.412、P<0.001)。治療期間中の不整脈は認められなかった。

今回の結果から、Lauriola氏らは「COVID-19患者に対するHCQ+AZM併用療法は院内死亡率を低下させることが示唆された」と結論。COVID-19患者へのHCQ治療の課題として至適投与量が明らかになっていないことを挙げながら、「併用療法の有効性を解明するため、さらなる研究が必要」と締めくくった。

なお、HCQ+AZMの併用療法をめぐっては当初、日本国内でも効果が認められていた。一例として、今年3月に東京都江戸川区内で初めてCOVID-19患者を受け入れた江戸川病院の伊勢川拓也氏らが30例に対してHCQ+AZMを投与したところ、投与5日までに24例(80%)で改善が認められたことなどを報告。HCQについては「開発から60年以上、世界中で使用され、安価であり、かつ低用量・短期間での副作用はまれであることの知見は既に蓄積されている」として、期待を寄せていた。

引用元 : Medical Tribune やはり効く!? コロナ治療にHCQ+AZM
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